この記事を執筆した当時の私
獣医師/Ph.D.(獣医学博士)/大学や製薬会社で基礎研究に従事していた元研究者/現在は動物病院で犬・猫の診療をしている臨床獣医師
- ペット保険は目的・動物種・年齢で選ぶ
- ペット保険を選ぶときに最も重要なポイントは3つ
- 使いやすさ
- 保険料の価格
- 補償割合や補償対象などの補償内容
こんにちは!
獣医師の修です。
この記事ではペット保険を選ぶときに注目するポイントについて、わかりやすく紹介をさせていただきます!
ただ、私は保険を紹介する資格は持っていないので、メリット・デメリットなど商品の詳細はお話できません。
それでも、獣医師の視点から見たペット保険ついて書けることはあると思うのでまとめていきます!
ペット保険の選び方で混乱している方、最後までお付き合いいただけると幸いです。
この記事のゲスト:由美子さん
60代の主婦。子供たちは自立し、余裕ができたので猫を飼い始めた。
ペット保険を選ぶときに注目するポイント
そもそもペット保険って種類が多すぎるのよ!
そうですよね~
何がどう違うのか、私も混乱しました。
2023年12月8日の時点で、ペット保険の新規受付を行っている会社は17社あります。
商品数にすると35種類もあり、プラン・サービスでカウントすると69種類になってしまいます。
保険会社名* | 商品名* | プラン数 |
au損害保険(株) | ペットの保険(通院ありタイプ) | 2 |
ペットの保険(通院なしタイプ) | 2 | |
SBIいきいき少額短期保険(株) | SBIいきいき少短のペット保険 | 4 |
SBIプリズム少額短期保険(株) | プリズムコール | 9 |
あいおいニッセイ同和損保(株) | ワンにゃんdeきゅん | 2 |
アイペット損害保険(株) | ペット保険 うちの子 | 2 |
ペット保険 うちの子Cute | 3 | |
ペット保険 うちの子Light | 1 | |
ペット保険 うちの子プラス | 2 | |
アクサ損害保険(株) | ペット保険 | 2 |
アニコム損害保険(株) | どうぶつ健保きずな | 2 |
どうぶつ健保しにあ | 2 | |
どうぶつ健保ふぁみりい | 2 | |
どうぶつ健保ぷち | 1 | |
どうぶつ健保すまいる | 1 | |
どうぶつ健保はっぴぃ | 1 | |
どうぶつ健保べいびぃ | 2 | |
イオン少額短期保険(株) | イオンのペット保険 | 4 |
イーペット少額短期保険(株) | e-ペット | 2 |
エフ・ピー・シー(株) | FPCペット保険 | 2 |
チューリッヒ少額短期保険(株) | 犬のがん保険(骨折・脱臼プラス) | 1 |
つばき少額短期保険(株) | つばきのペット保険 | 4 |
日本ペット少額短期保険(株) | いぬとねこの保険 | 6 |
ペットアンドファミリー損害保険(株) | げんきナンバーわんSlim | 2 |
ペットメディカルサポート(株) | PS保険 | 3 |
楽天損害保険(株) | スーパーペット保険 | 3 |
リトルファミリー少額短期保険(株) | わんデイズ・にゃんデイズ | 2 |
*会社名・商品名の記載順序はアルファベット順・五十音順であり、会社や商品の優劣を示すものではありません。また、ペット共済は保険ではないので除外しています。
私たち飼い主は、ココから自分にあったペット保険を選ばなきゃでしょ。
うちの猫にどのペット保険が良いのかなんて分からないじゃない!?
あぁ~嫌になる。
お気持ち、お察しします。
インターネットで検索すると、各保険会社のサービスの比較サイトが上位にでてきます。
クリックするだけで簡単に資料請求もできるわけですが、「とりあえず、全部をチェックしてみよう」とはなりませんよね。
そこでペット保険を選ぶ際に注目する項目をピックアップしました。
- 保険の使いやすさ
- 補償内容
- 免責金額と免責事由
- 契約の更新
- ペットの種類
- 割引制度
- 各種特約と付帯サービス
- 保険料の上がり方
- 加入または更新できる年齢
- 既往症
- 申込み方法
- 会社の安心度
こんなにあるの?
全部を調べるのは無理ですよ。
大丈夫ですよ!
私がこれから各項目のポイントをまとめていきますから。
その中で、あなたが「これは外せない」ってポイントを見つけましょう。
保険の使いやすさ
人の医療保険は、病院の窓口で保険証を提示すれば自己負担分の支払いのみで治療を受けることが可能です。
でも、ペット保険は各社・商品によって保険金の請求手続き方法が異なります。
- 動物病院の窓口で精算可能な商品
- 自分で立て替えた後に立替請求が必要な商品
保険金の立替請求は大変
保険金の立替請求を流れを簡潔にまとめると以下のようになります。
- 動物病院で一旦全額支払い
- 保険金請求書類の作成
- 必要書類の送付(LINEやアプリで手続き可能な会社もある)
- 保険金の支払い
この中で「保険金請求書類の作成」がとっても厄介です。
症状・診断名を記入(分からない場合は獣医師に確認)するだけでなく、処置内容や薬の名前なども記入する必要があります。
診療明細書や領収書を見ながら記入できる場合もありますが、「処置代」とか「皮下注射」等の詳細不明な診療明細書を出す動物病院は多いんですよ!
だから、書類作成の度に獣医師に確認しないとダメなんてこともあるかもしれません。
この作業が面倒だと感じない方を除いて、窓口精算が可能な保険会社の商品を利用することをオススメします。
動物病院がその会社の保険に対応していれば、受付で保険証(加入証)を提示するだけで大丈夫ですよ!
対応していない動物病院をご利用の場合は、自分で立て替えた後に立替請求が必要になります。
LINEやアプリ等で申請可能な会社
保険金の立替請求が必要な商品でも、書類の記入や郵送の負担を省く工夫をしている会社があります。
LINEや保険金請求アプリを利用することで、保険金請求が簡単にできますよ。
必要な書類をスマートフォンやタブレットで撮影してマイページから請求手続きすることができる商品もあります。
文書作成費は自己負担扱い
「保険金請求書類の作成」は動物病院に依頼することが可能ですが、文書作成費を請求する病院もあります。
そして、文書作成費は飼い主さんの自己負担となります。
補償内容
補償内容は、通院補償・入院補償・手術補償の3種類です。
- 通院補償:通院したときに所定の保険金を給付
- 入院補償:入院したときに所定の保険金を給付
- 手術補償:手術したときに所定の保険金を給付
商品ごとにメインの補償内容・補償限度額・補償割合・補償範囲・待期期間が異なります。
フルカバー型と補償限定型
メインの補償内容は2種類です。
- フルカバー型
- 補償限定型
何がどう違うのかしら?
フルカバー型は、通院・入院・手術の全てを補償しているの商品です。
補償限定型は、通院のみとか入院や手術のみといった商品ですね。
「ケガのみ」とか「がん保険」とか、対象疾病と限定した保険もありますよ。
フルカバー型は補償が手厚いので保険料も高めですが、補償限定型はその逆で保険料が安いです。
補償限度額
これにも2種類の考え方があります。
- 制限がないタイプ
- 制限があるタイプ
制限がないタイプは、年間の支払保険金の合計額を「補償限度額」として定めています。
制限のあるタイプは、入院・通院・手術などの治療形態に応じて、それぞれに「限度日数・回数・限度額」が定められている商品です。
どっちが良いの?
どちらを選んでもメリット・デメリットがそれぞれあります。
通院で対処できる疾病に備えたい方は制限のあるタイプがオススメです。
例えば、外耳炎・口内炎・胃腸炎・便秘・角膜炎・結膜炎とかですね。
これらは数回の通院と薬の内服で対応できることが多いです。
一方、手術・入院など高額な治療費がかかる疾病や生涯の通院が必要な慢性疾患に備えたい人は制限のないタイプがオススメです。
例えば、骨折・膝蓋骨脱臼・慢性腎臓病・副腎皮質機能亢進症などですね。
飼育動物の種類・品種や年齢と「ペット保険に加入する目的は?」の答えが大切となります。
ペット保険は、目的・動物種・年齢に応じて適切に選択する必要があります。
補償割合
「補償割合」とは、治療費の何%が保険金として支払われるかを示す数字です。
例えば、50%補償のプランに加入しているケースを考えてみます。
入院と通院で20万円の治療費を請求された場合、保険金はいくらでしょうか?
10万円!
正解!
20万円 × 0.5(50%)=10万円ですね。
補償割合が高いほど支払われる保険金が多くなりますが、保険料も高くなることは知っておきましょう!
保険会社や商品・プランによって異なりますが、70%や50%に設定されている商品が多いです。
中には、100%で設定されている商品もあります。
ちなみに、日本の保険医療制度は3割負担が基本で、これは「補償割合が70%」と同義ですよ。
補償範囲
基本的には、病気や不慮の事故によるケガで動物病院を受診したときに補償されます。
中にはケガだけとか、骨折やがんだけなど対象疾病を限定した商品もあります。
補償外となる項目
各商品に補償外となる項目は必ず存在しますのでご注意ください。
病気・ケガの治療に該当しない処置は補償外となるのが基本です。
以下の処置などは補償対象外となります。
- 健康診断
- ワクチン接種
- ノミダニ予防薬
- フィラリア予防薬
- 既往症のある病気
- マイクロチップの挿入
- 医薬部外品(サプリメント)
- 妊娠、出産の入院および手術
- ワクチン接種で防ぐことができる病気
- 病気に当たらない手術(去勢・避妊手術、断耳、断尾など)
- 先天性の異常(乳歯遺残、潜在精巣、臍ヘルニア・鼠径ヘルニアなど)
- 日常的なケア(爪切り、肛門腺絞り、足裏の毛刈り、トリミングなど)
ワクチン接種で防ぐことができる病気
ワクチン接種で防ぐことができる病気は会社ごとに指定疾病が異なります。
例えば、レプトスピラ症は血清型(血清群)を指定している場合とそうでない場合があります。
また、猫クラミジア感染症やFIVは対象としている場合とそうでない場合があります。
保険商品ごとに補償対象外となる項目が異なる
上記以外にも保険商品ごとに補償対象外となる項目が違います。
例えば、歯科治療・鍼灸治療や休日・夜間の時間外診療などです。
重要事項説明書や約款に記載されている補償内容をしっかりと確認しましょう!
「補償対象と思ってたら対象外だったから多額の支払いが発生しちゃった」はみたいなトラブルは避けたいですよね!
ちなみに、重要事項説明書や約款は「など」とか「等」と記載を省略している場合も多いです。
気になる疾病や処置内容が事前に分かっている場合は、各社に問い合わせするようにしましょう!
注目すべき特定の疾患
以下に対象外となりやすい特定の疾患を挙げました。
- てんかん
- 気管虚脱
- 膝蓋骨脱臼(パテラ)
- チェリーアイ
- 股関節形成不全
- 猫伝染性腹膜炎(FIP)
- 椎間板ヘルニア
- 進行性網膜萎縮
- ウォブラー症候群
- レッグペルテス病
- 猫後天性免疫不全症候群(FIV)
飼育している or これから飼育希望の犬・猫の品種で見舞われやすい疾病が含まれていないかを確認してください。
そして、加入を検討している保険商品が上記疾病を対象外としていないことをしっかり確認しましょう!
その他の注目すべき項目
疾患以外にも注目すべき項目がありますよ!
以下の項目は補償対象外にしている保険商品が多いですが、逆に補償対象にして他社製品と差別化していることもあります。
- 海外医薬品
- 漢方など東洋医学
- 入院中のフード代
- 理学療法(リハビリ)
待期期間(免責期間)
ペット保険には、保険が適用されない「待期期間(免責期間)」がある商品も多いです*。
「初年度の始期日から30日間」など、一定期間中に罹患した病気やケガは保険の対象となりません。
*「待機」と表現する商品もあります。
免責金額と免責事由
「免責」とは、損害や事故が発生しても保険会社が保険金を支払う責任を負わないことです。
ペット保険には2種類の「免責」があるんです。
- 金額
- 事由
免責金額
「保険を使えるのは診療費が●●円以上の場合から」のような内容を指します。
請求される診療費が免責金額に満たなければ保険は適用されません。
例えば、免責金額が2万円と設定されている商品に加入している場合、診療費が2万円未満だったら補償対象の診療であっても全額自己負担となります。
免責事由
ペット保険を含む全ての保険商品には「保険金支払の対象にならない場合」を定めた免責事由が設定されています。
先に書いた補償外となる治療例に加えて、契約期間中の傷病歴によって継続時に免責条件が追加される場合もあります。
普通保険約款に次のような文言があると注意が必要です。
更新して引き受ける場合の条件として、特定疾病不担保特則を適用して引き受ける場合があります。
上記の文言がある場合は、継続時に免責条件が追加される可能性が高いですね。
「補償対象と思っていたのに補償を受けられなかった」ってトラブルが起きないように、契約前に免責事由をしっかり確認しておきましょう。
ちなみに、あえて免責事由を追加して保険料を安くできる商品もあるんですよ!
あら、面白いシステムね!
会社によっては免責額適用特約というオプションを用意しています。
これを追加すると保険料を抑えることができます!
契約の更新と終身補償
保険加入期間に疾病の治療が開始すると、次年度の契約更新ができない場合があります。
また、治療を開始していなくても、更新に年齢上限が存在するとやはり契約更新できません。
治療を開始した後も、高齢になっても、補償が続く商品の方が安心ですね!
ただし、各会社の定める基準に適合しない場合は継続できない場合もあります。
例えば、次のような場合です。
- 保険金の支払い総額が支払限度額に達した
- 過去の保険料の支払状況が良くない
- 動物愛護法で定める飼養義務違反が発覚した
ペットの種類
多くのペット保険は保険対象の動物が犬・猫です。
一方で、近年はフェレット・ウサギ・カメなどのエキゾチックアニマルをペットにする人も増えています。
その場合は通常のペット保険には加入できません。
エキゾチックアニマルは多種多様
「エキゾチックアニマル」と言っても動物の種類は多種多様です。
「エキゾチックアニマル」全てが対象となった保険はありません。
その保険の対象動物は何かを必ずチェックしてください。
犬の保険はちょっと複雑
犬の保険は、小型犬・中型犬・大型犬の別で保険料が異なります。
また、犬種別の疾病区分を設定して保険料を決めている商品もあります。
例えば、フレンチブルドッグは疾病リスクが高い犬種なので保険料が割高になることが多いです。
一方で、雑種犬は疾病リスクが低いので保険料が安い傾向にあります。
これからペットを飼う予定の方は、飼育希望の動物(品種)が見舞われやすい疾病の特徴も知っておくと良いでしょう。
ミックス犬と雑種犬は違う
どちらも異なる品種の犬を交配して生まれた個体を指しますが、概念が少し異なります。
ミックス犬は、親犬に血統書が発行されている純血種同士の交配から生まれた個体です。
チワワとダックスフンドのミックス犬「チワックス」やポメラニアンと柴犬のミックス犬「ポメ柴」などが有名ですね。
ペットショップやブリーダーが人工的に誕生させた感が強いですね!
一方、雑種犬は純血種同士に限定していません。
去勢手術・避妊手術を受けていない犬同士が、飼い主の知らぬ間に交配して自然と増えたという印象が強いですね!
区別のポイントは、人工的に誕生したかどうかですね!
ちなみに、ミックス犬同士の交配で誕生した個体はすべて雑種です。
だから、チワックス同士の交配で得られた子供はチワックスではなく雑種ですよ!
割引制度
価格を少しでも抑えるために各社が様々な割引制度を導入しています。
- 多頭割引
- インターネット割引
- マイクロチップ装着割引
- 保険金支払い実績による割引(無事故割引)
多頭割引
近年は2頭以上のペットを飼育する飼い主さんも増えています。
これは同じ家庭で2頭以上飼育しており、どちらも同じ保険会社を利用している場合に適用される割引です。
2頭目の保険料が3~8%ほど割引になります。
インターネット割引
WEBで申し込みを完結すると適用される割引です。
初年度だけ適用の場合と加入期間ずっと適用の場合があります。
マイクロチップ装着割引
マイクロチップを装着している個体が適用される割引です。
2022年6月1日から、ペットショップやブリーダー経由で販売される犬や猫についてはマイクロチップの装着が義務化されました。
マイクロチップ装着費用を助成している自治体もあります。
それを利用してマイクロチップ装着割引を受けるのも良いですね。
保険金支払い実績による割引
昨年度の保険の利用状況に応じて保険料が割引される制度です。
自動車保険や人の医療保険でも導入している会社がありますよね!
「無事故割」や「健康割」と呼んでいる商品が多いですね。
特約や付帯サービス
賠償責任特約やペット葬祭費用特約などの各種特約の有無や付帯サービスの有無も重要ですよね!
ここでは、各種特約や付帯サービスを紹介していきます。
先ずは各種特約からです。
賠償責任特約
飼育動物が他人や他人の所有物を損害を与えた時に、賠償金などを補償してくれるものです。
例えば、大型犬を飼育している場合、予想以上に力が強く制御しきれないことに起因する事件・事故が予想されます。
また、猫の爪とぎやスプレー行為により家屋損壊なども、賃貸物件であれば気にした方が良いかもしれません。
ただし、火災保険や自動車保険にも同様の特約がセットされていることもあります。
その場合は補償が重複することになりますので、ペット保険で追加を検討する必要はありません。
あなたが加入している別の保険の特約もしっかり確認してみましょう!
ペット葬祭費用特約
葬祭事業者が行った葬式費用も補償対象となる特約です。
飼い主補償特約
飼い主(被保険者)が高度障害状態になったり、死亡してしまったときに、残されたペットの飼育費に充てられる保険金が支払われます。
あら、とてもユニークな特約ですね~
近年は不慮の事故や病気でペットの飼育が難しくなるケースも増えていますので、時代にあった特約と言えるでしょう。
ペットホテル費用保険がある会社
似たような補償内容でペットホテル費用保険があります。
これは飼い主が疾病の治療をするために病院への入院が必要となった時に、その期間のペットホテル利用料が補償対象となります。
旅行目的では使えませんのでご注意ください。
付帯サービス
治療に対する補償だけでなく、ペットとの生活をサポートするサービスなどが付帯した商品もあります。
24時間365日無料で相談できるサービスが有名ですね。
似たような内容で甲乙つけがたいと感じた時は、付帯サービスの内容を比較してみてはいかがでしょうか?
保険料の上がり方
ペット保険では、ずっと同じ保険料で契約更新できない商品の方が多いです。
だから、加齢に比例して保険料も上がっていきます。
保険料の上がり方は会社ごとに異なる
保険を提供している会社ごとに保険料の上がり方が異なります。
1歳ごとに少しずつ引き上げる会社が多いですが、一定の年齢ごとに引き上げる会社もありますよ。
また、前年に保険を使用した回数が多ければ、その分が翌年以降に割り増し加算されていく仕組みの商品もあります。
高齢動物の保険料
ペット保険を検討している時は、加入時点での保険料だけを気にしがちです。
しかし、加齢に比例して保険料も上がっていくのが基本ですから、高齢になった時の保険料も比較しておくことをオススメします。
若い頃の保険料は安かったけど、高齢になって値上がりしたから生涯に支払った保険料の総額は高かった。
そういう落とし穴もあるかもしれませんね。
保険料の総額で判断するのもアリかもしれません。
加入・更新できる年齢
ペット保険には加入する年齢の制限が設けられています。
人と同様で、動物も加齢に依存して疾病の可能性が高くなるからです。
会社にもよりますが、新規の加入は0歳齢から10歳齢までの年齢制限を設けているところが多いです。
既往症の有無
「これまでかかったことがある病気やケガ」を既往症と呼びます。
保険商品によっては、獣医師による健康診断を加入条件にしているものがあります。
ただし、「獣医師による健康診断が不要≠既往症があっても大丈夫」という点は注意が必要です。
既往症があるペットの場合
既往症があるペットの場合、保険会社は以下のどちらかの対応を取ります。
- そもそも保険への加入が認められない
- 保険への加入はできるが、その病気・ケガに対しての診療費は補償対象外となる
保険商品にもよりますが、治療が生涯にわたる疾病に関しては保険加入を認められない場合が多いです。
例えば、悪性腫瘍・てんかん・けいれん発作・椎間板ヘルニア・糖尿病・慢性腎臓病・僧帽弁閉鎖不全症などです。
また、特定の疾病や身体部位を補償対象外として契約する場合、「特定疾病・特定部位補償対象外特約」などの特約を付帯することになります。
既往症を隠して保険に加入
既往症を隠して保険に加入すると、契約違反として契約解除・それまでの保険金の返金請求があります。
保険金の不正請求はやってはいけません!
「現時点で健康であること」が保険の加入条件なのは人もペットも同じですね!
申込方法
ペット保険への申込方法は3通りです。
- Web申込
- 資料請求して書面にて申込
- ペットショップの店頭で申込
中には、ペットを購入したペットショップのみでしか加入手続きできない保険商品もあります。
また、加入手続きの違いで補償開始日が異なることもあるので注意しましょう。
会社の安心度
ペット保険会社は、損害保険会社と少額短期保険会社に分けることができます。
損害保険会社は、損害保険契約者保護機構への加入が義務付けられています。
これにより損害保険会社が万が一経営破綻に陥っても保険金・返還金などは補償されます。
ペット保険を選ぶときに注目するポイント【まとめ】
ペット保険を選ぶときに注目するポイントを獣医師の視点からまとめてきました。
特に重要な項目は以下の3つです。
- 使いやすさ
- 保険料の価格
- 補償割合や補償対象などの補償内容
そして、気になる疾病や項目が補償対象かどうかは、各社に問い合わせすることが大切です!
「分からないまま」 or 「たぶん、補償対象だろう」で契約しちゃダメ!!
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
説明してくれてありがとう。
2023年12月8日 修(獣医師&獣医学博士)
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